やさしさにあふれている本だなあ
読み終わったときに、心がじんわり温かくなる本でした。
いい本に出会えました。
この本は、本屋で買ったのですが、
心理オタクの私はいつものように、心理本コーナーを眺めていると、このタイトルが目に飛び込んできました。
最近、仕事が忙しく、「心も体も疲れてるなあ」と自覚があるくらい疲れていたので、この本に意識が向いたんでしょうね。
脳が言うておりました。
「りゅうま、お前ちょっと休め」
と。
「半うつ」
これは筆者であり、精神科医でもある平光源さんが作った造語です。
仕事には行けるし、家事もできる。だけど、確かに憂鬱を超えた不快感がある。病院に行くほどではないけれど、このままじゃ怖い。
こういった憂鬱以上、うつ未満の状態こそが「半うつ」の定義であり、そんな“中間地点”にいる人に、この本を手に取っていただきたいのです。
その渦中にある人にとっては、救いになる言葉だと思いました。
印象に残ったことと感想を、記録しておこうと思います。
現状を知るだけで安心できることもある
うつとはいえない、でも明らかに不快な感覚が続いている
そんな状態を「半うつ」という言葉を使って定義しているのは、とてもいいことだと思いました。
「うつではない」と言われるのも それはそれでつらい
自分の中では確かに「つらい」と感じているのに、それを「うつじゃない」と言われるのはつらいです。
その状態を、「半うつ」だから気をつけよう、ととらえることができたら、早めの対処もできて、重症のうつ状態になってしまうことを防ぐことができます。
真面目で責任感が強かったり、自分に厳しかったりする人ほど、こういった「言葉」を知ることで自分の現状をとらえなおすきっかけにもなりますので、とてもいいことだと思います。
うつに関連する3つの神経伝達物質
- セロトニン:「心の安全装置」「心のブレーキ」イライラや不安、憂鬱を減らし、精神を安定させる
- ノルアドレナリン:「やる気の素」「心のアクセル」やりたいと思ったことを実際に行動を起こさせる
- ドーパミン:「ワクワクの素」「心のエンジン」喜びや生きがい、ワクワクを生み出す
うつのときには、これらの神経伝達物質が減少しています。
不安で、動けなくて、生きがいもない
というのは、事実として、この神経伝達物質が減少している状態なのだそうです。
減っているなら、増やせばいいんですね。
だからまずは、これらの材料となる食事。
そして、その材料を使って、神経伝達物質を作るための睡眠。
この2つが回復の土台となるのだそうです。
当たり前なことだけれど、意外と見落としがちですよね。
心の土台は、食事と睡眠から。
ワクワクはどこから来るのか
このワクワクを司るのが「ドーパミン」
ドーパミンは、
期待していたこと < 実際に起こったこと
という、予想を超えた良いことがあったときに、放出されるのだそうです。
つまり、ワクワクとは「予想を超えた良いことが起こった時に、それを記憶して次回も同じ行動を取るよう促すための脳の仕組み」なのです。
ワクワクというのは、ぼくがとても大切にしている感覚です。
ワクワクを感じながら生きられるなら、
もうその時点で、幸せな人生だとぼくは思っています。
しかし、
ワクワクを感じるためには、その土台となる安心と安全の感覚を持っていることが必須です。
イライラしていて、不安と恐怖がいっぱいで、焦燥感を感じながら、ワクワクなんてできないですもんね。
この本を読んで、
ワクワクの土台となるのは、やはり「安心」の感覚なんだなと再確認しました。
読むだけで癒される
急がなくていい。
競争しなくていい。
ただ、あなたらしく、あなたのペースで、あなたの道を進んでいけばいいのです。
全編を通して優しい語り口で、読んでいて安心感を感じられたのが印象的でした。
そして、回復へのステップが明確に示されていて、希望を持つことができる内容でした。
- 食べる
- 寝る
- 自分の本当に望む生き方
この当たり前だけど、見落としがちな大切なことを思い出させてくれるいい本でした。
- 憂鬱以上、うつ未満
- がんばりすぎて疲れてしまっている
- 体は動くけど、もうそろそろむりかも
そんな人におすすめの1冊です。
あと、最終章とエピローグは泣けました。
余談
半うつチェックリストをやってみたら
おれ、半うつでした
疲れたら、そして疲れる前にちゃんと休もうと心に決めた