無理して明るく振る舞う人の心理とその危険性【躁的防衛】

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本当はつらいのに

本当は死ぬほど悲しいのに

本当は泣き出したいくらいさびしいのに

無理に明るく振る舞って平気なふりをする

過度に活動的になって気を紛らわせる

もしくは、SNSにたくさんの”楽しい”投稿をして幸せアピールをする

心当たりありませんか?

今回はそういった行動をしてしまう心理とその危険性についてお話しします。

本当はつらいのに明るく振る舞う人の心理

本当はつらいのに無理して明るく振る舞ってしまうことを心理学では

【躁的防衛】

といいます。

心をストレスから守るための仕組みである【防衛機制】の一種です。

冷静になって考えればわかるのですが、

人は本当に幸せを感じているとき、

人に見せつけるように明るく振る舞ったりしないし、

SNSにたくさんの投稿をしたりしません。

なぜなら、本当に幸せならば「ああ幸せだなあ」と、いま目の前にある幸せに浸っていたいからです。

ではなぜ躁的防衛をしてしまうのかというと、

自分は幸せではない、本当はつらい、という事実を受け入れたくないからです。

過度に明るく振る舞ったり、行動的になることで、自分をわからなくさせて、感じたくないつらい感情を感じないようにして心を守っているからです。

その根底には、

不安、孤独、悲しみ、劣等感、無価値感、恥、恐怖

などの人間がどうしても避けたい感情が隠されています。

加えて、周りの人から「あの人は幸せそうだ」と見られることによって、

他者から評価をもらうことによって、自分の気持ちを落ち着かせ、納得させようとしている

という心理もあります。

承認欲求で自分の心を保とうとしているパターンです。

自分ではどうしても対処できない心のスキマを、他人からの承認によって埋めている状態です。

もしくは、人から自分がつらい状況にあると思われたくない、という気持ち・プライドがある場合もあります。

いずれにしてもそこには、

他者の目を強く意識している

という共通点があります。

しかし、周りから見ると、あの人無理してるな、というのはすぐわかるもので、

気づいていないのは本人だけという、ちょっと痛い状況であることが多いです。

しかし、本人は至って真面目に?明るく楽しそうに振る舞っています。

無理して明るく振る舞う人になってしまう原因

無理して明るく振る舞ってしまう人の背景にはトラウマがあることが多いです。

自分でもトラウマがあることに気づいていない場合も多いです。

無理して明るく振る舞う人であればなおさら、

「トラウマ?そんなの考えたってしょうがないでしょ!うぇーーーーーい!」

といった具合に、自分の過去に原因があることなど見ようしない場合がほとんどでしょう。

生育環境のパターンとしては複数考えられます。

  • ピエロのように明るく振る舞うことで承認が得られた、見てもらえた
  • 明るく振る舞うことで家族のバランスを保っていた、両親を助けていた
  • 厳格な家庭、エリートが多い家系
  • 家の中にいるのにいないように扱われた(ネグレクト)
  • 過酷な虐待を受けてきた

いずれにしても、

ありのままの自分、喜怒哀楽のあるそのまんまの自分を受け入れてもらえておらず、

自分はありのままの自分で生きていていいんだ、ここにいていいんだ

という心の安心安全が健全に育っていない場合が多いです。

本人が気づいていない場合もありますが、人間関係に対して不安を抱えていることも多いです。

無理して明るく振る舞うことを続けるとどうなるか

無理して明るく振る舞う躁的防衛を続けていくとどうなるかというと、

そのうち、疲れてきて、笑えなくなって、いろんなことが億劫になってくる。

いわゆるうつ状態になります。

なぜなら、躁的防衛というのは自分の感情を偽っていることに他ならないからです。

感情はごまかしてもなくなりません。

ハイテンションでごまかした感情・・・悲しみ、さびしさは無意識下に蓄積していき、

限界を迎えるとうつ状態になってしまいます。

自分が躁的防衛をしていると気づいたらどうすればよいか

まず、無理に明るく振る舞うことを一回やめてみる、動き回ることをやめてみる。

すると、おそらく嫌な感情が湧いてくると思います。

不安、悲しみ、さびしさ、場合によっては怒りなど。

そういった感情が湧いてきて初めて、自分がなぜこれまで無理に明るく振る舞ったり、動き回っていたかのかを実感すると思います。

次に、今まで感じることを避けてきた、自分の中にあるネガティブな感情を認めることです。

「さびしかったんだなあ」

「悲しかったんだなあ」

「怖かったんだなあ」

ネガティブな感情を自分ものとして受け止める。

ポジティブな自分も、ネガティブな自分も、どちらもあっていい

と自分に許可してあげることが大切だと思います。

・・・というのが正攻法のアドバイスです。

私が思うに、躁的防衛って自傷行為みたいなもので、

そうせざるを得ないほどつらい感情、感じたくない感情があるのだと思います。

だから躁的防衛をやめるってそんな簡単にできることじゃないと思います。

ならば気が済むまで無理して明るく振る舞って、行動しまくって、

もう限界やなと感じたとき

もう空元気じゃどうしようもなくなったとき

ごまかすのではなく自分を大切にしてあげたいなと思うときが来たら

そのつらさに向き合うお手伝いができたらなと思っています。

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