• がんばっているのに結果が出ない
  • がんばればがんばるほど空回りしてしまう
  • 自分で考えてもまったく解決策が見えない
  • 人に相談してもアドバイスをもらってもどこかしっくりこない

そんな、出口の見えないスランプに陥ったとき、どうすれば抜け出せるか?

私なりに考えてみました。

ちょっと長くなりそうだけど、書きたいことを、思いつくままに書いてみようと思います。
読む人それぞれが、自分の置かれている状況に合わせて、何かを感じ取ってもらえたら嬉しいなと思います。

さて、出口の見えないスランプを抜け出す方法、それは、

自分の中の動機に向き合うこと

だと私は思います。

なぜなら、人間の行動を支配しているのは、自分の中にある動機だからです。

意味がわかんないですね。

ではまず、スランプってどういう状態でしょうか?

スランプとはどういう状態か

先ほども程も述べたように、スランプに陥っているときは、

  • がんばっているのに結果が出ない
  • がんばればがんばるほど空回りしてしまう
  • 自分で考えてもまったく解決策が見えない
  • 人に相談してもアドバイスをもらってもどこかしっくりこない

こんな状態だと思います。
箇条書きにしてみると、絶望的な状況やなって思います。
がんばっても結果が出ない上に、解決策が見えないってのは、もう絶望としか思えないですよね。
本当につらいと思います。

がんばっているのに結果が出ないときというのは、

努力の方向性が間違っている

もしくは、

自分が思っているほど、行動できていない

のどちらかだと思います。

この方向性と行動量を決定するのが、あなたの中にある動機です。

動機がすべてのはじまり

人の行動の根底には、何かしらの欲求があります。

〜が欲しい、やりたい
〜を避けたい、逃げたい

いろんな欲求があります。

この自分の内側から湧いてくる、行動の原動力になる欲求が「動機」です。

なので、この動機がどういうものなのか、というところが、あなたの行動を決定づけています。
さらには、その先に現れる結果につながります。

ではここからは私のスランプの話をしますね。
私が持ち合わせているスランプの話は、

セラピストになるためにトレーニングをしていたときの話と、
学生時代の死ぬほどモテなかったときの話がありますが、

どちらが聞きたいですか?

わかりました。

セラピストになるためにトレーニングをしていたときの話ですね

まじで苦しかったスランプの話

セラピストになるためのトレーニングでは、先生や先輩、一緒にトレーニング受けている同期に見てもらいながら、セッションをしていました。

そんな中、トレーニングが進むにつれて、セッションをするのがどんどん、どんどん怖くなっていきました。

セッションをしていると脈が速くなり、視野が狭くなって、頭の中を恐怖が占めて、

やばい、何もわからない

という、セラピストらしからぬ精神状態になっていました。

そんな状態が4〜5ヶ月続いていました。

回を追うごとに恐怖は強くなり、自分の進歩が感じられないどころか、むしろ後退していく感覚でした。

練習もしてる、勉強もしてる、解決策も考えてる。
でもいざとなると恐怖で頭がいっぱいになる。

がんばっているのに、こんなにうまくいかないのは人生で初めての経験でした。

地獄でした。

さて、このとき私は何が怖かったのかというと、

できないこと、わからないことが怖かったのです。
正確にいうと、できない自分であること、わからない自分であること、そしてそれを人に見られることが怖かったのです。

なぜこのように思っていたのかというと、私は自分に対して、

「できない、わからない、人から認められない自分には価値がない」

という無意識の前提・思い込みを持っていたからです。

だから、できる自分になって人に認められたい、できる自分になって人に勝ちたい、というのが、正直な思いでした。

これが私のがんばる動機だったのです。

できない自分を見られる恐怖を避けるため、
できる自分になって認められるためにがんばっていたのです。

さらに、こんな動機を原動力にしている自分を自分でも認めずに、がむしゃらに行動をしていました。

いやですよね、こんなセラピスト。
クライアントではなく、自分のことで頭がいっぱいなのですから。

欠乏動機と成長動機

人の動機は大きく2種類に分けられます。

①欠乏動機(Deficiency Motivation)

生命維持や安全、所属、承認など、欠けているものを補おうとする動機。
不安や恐怖を避けて、安心や安全を得ようとする動機ともいえます。
以下の特徴があります。

  • 「足りないから手に入れたい」という欲求
  • 欠乏が満たされると動機は消える
  • 短期的・実利的な行動が多い

②成長動機(Growth Motivation)

自己実現や潜在能力の開花を目指す、より高次な価値を追求する動機。
自分の内側から湧き上がってくる欲求に従って、「やりたいからやる」という動機であり、行動自体に満足感や充実感を感じることができます。
以下の特徴があります。

  • 「もっと成長したい」「より良くなりたい」という内発的な欲求
  • 満たされても終わりがなく、欲求が持続する
  • 長期的・内面的な満足を重視

人は欠乏動機で行動しているとき、不安と恐怖に支配されています。
そして、恐怖を避けるための努力というのは、終わりがありません。
なぜなら、恐怖は避けようとすればするほど、逆に恐怖を意識することになり、自分の中の恐怖は残りつづけるからです。

一方、成長動機で行動しているとき、「自分がやりたいからやる」「好きだからやる」という自然な欲求に従って、自分の能力を存分に発揮することができます。
充実感も満足感も感じながら行動することができます。

ここでまた私のスランプの話に戻ります。

自分の本音の動機と向き合う

日に日に成長していく同期の仲間たちと、
日に日に後退していく自分とを比べて、

がんばってもがんばってもうまくいかない強烈な焦りの中で、私はどん底の気分を味わっていました。

もしかしておれ無理なんかなあ
でもやればできるはずなんだけどなあ

と。

そんなときにトレーニングの一環として、クライアントとして心理セラピーのセッションを受けました。
そのセッション中に先生から言われました。

「言いたくないけど、あんたはこのメンバーの中でいちばんの劣等生や」
「過去に培ってきた優秀なぼくちゃんのイメージをいいかげん捨てなさい」

ぐうの音も出ない

「あんたがまだ人に与えるというステージに立てていないのが残念やわ」

そんな先生の言葉から、

いまだに、「人から与えてもらいたい」という段階にいる自分の現実に直面しました。

自分、恥ずかしすぎる

そう感じたのを覚えています。

続いて先生が言いました。

いま目の前に、あなたの助けを待っている人たちたくさんいます
パワハラに遭って会社に行くのがつらい人
あなたのように失敗や恥の恐怖に悩んでいる人
夫婦関係に悩んでいる人
でも女性セラピストに相談するのは抵抗がある人
おるおる、たくさんおる

その瞬間、私の目の前に、

ずらーーーーーっと立っている人たちの姿が見えました。

(引用元:漫画「キングダム」515話)

ここまでじゃないですが、少なくとも200〜300人くらいの人たちの姿が見えました。

その人たちの顔色は良くなくて、暗い顔で俯いていたり、目に力がない、元気のなさそうな様子でした。
(スピリチュアルとかじゃなくて、セッション中の催眠状態のときには本当に見えます)

それを見て、

意識がシャキッとしたのを覚えています。

人の目を気にしてウジウジしてる場合じゃない
私にはやるべきことがある

と。

そこからの1ヶ月間、徹底的に自分の現状を見て、自己対話をしました。

  • できないところを見られるのが怖い自分
  • 恥を感じるのが怖い自分
  • できるようになって認められるためにがんばっている自分
  • 同期の成長を妬んでいる自分
  • わかった気になっているけど、本当はわからないことだらけの自分

そんな自分の現状を認識しました。

これ以上落ちようがない、どん底だ

それに、この現状は本当にいやだ

そう思うと、

わかってないところをもう一回勉強しなおそう
練習もしよう
わからなくても、できなくても、やれることをやろう

心理が好きだし

という意識になりました。

そして迎えた1ヶ月後のトレーニング。
そのときのブログ記事がこちらです。

正直なところ今回は、

10ヶ月間あるコースの8ヶ月目、もう終盤なのに何の手応えもないまま来てしまった・・・

という不安な気持ちで迎えたトレーニングでした。

しかし意外にも、いままでで一番集中できた感覚がありました。

自分の中で、今回ここだけは乗り越えたいと考えていたポイントがあって、それをクリアできたのも嬉しかったです。

一方で、

あそこはわかってなかったなあとか、

あそこはもっとこうやりたかったなあとか、

くやしいと思うところもたくさんあって、

もっと心理について知りたい

もっと心理セラピーの技術を身に付けたい

と強く思いました。

引用元「リトリーブサイコセラピーハイパートレーニングコース8ヶ月目」
https://ryu-mylife.com/retrieve-psychotherapy-hypertraining-course-8th-month/

セッション中のことはあまり覚えていませんが、目の前のクライアントさんに集中して、

「クライアントさんの問題を絶対なんとかする、なんとかしたい」

って気持ちで最後までセッションをしたことを覚えています。

いままでとまったく違う感覚でした。

そして、セッションが終わって、トイレに行ってひとりになったとき、涙が溢れてきました。

やっと抜け出せた

正確にいうと、私は最初からそんなにできてなかったので、スランプ(一時的な不調)っていう表現は違う気がしてきたけど、まあいっか。

欠乏動機から成長動機へ

人は欠乏動機ではなく、成長動機で行動するとき、
対象の物事に全集中することができ、潜在能力を存分に発揮することができます。
結果として、高いパフォーマンスを上げることができます。

じゃあ、成長動機でやればいいんだね!!

っていきなり成長動機で動こうとしてもできないんです。

人の脳は恐怖を避けることを、何より優先するようにできているので、
欠乏動機が満たされなければ、成長動機に行くことはできないようになっています。

まずは欠乏動機で動いている自分の現実を受け止めることが先です。

弱くて、ずるくて、怖がり、女々しくて、かっこ悪い自分をとことん見つめる。

そして、これが自分なんだと、自分の現実を受け入れる。

その上で、どうしたい?って自分と対話をする。

そうして出てきた、「どうしたい?」の答えを自分で選ぶと決める。

そうやって、自分の中の動機と向き合いながら、行動を続けていけば、必ずスランプは抜け出せます。

私は、まじめで努力家な人が好きなので、
もがきながらも、必死にがんばっている人には絶対に報われてほしいな、って思うんです。

がんばるあなたを応援しています。